半製品伝票は、製品入庫伝票などと同じく製造管理で在庫管理や出荷管理において欠かせない帳票です。ここでは、半製品伝票の概要と電子化するメリット、電子化しない場合のデメリット、半製品伝票を電子化できる電子帳票システム導入のメリットなどについて紹介します。
製造業務での半製品伝票は、半製品の状態で自社製品の加工に利用したり、社外に販売したりした場合などに用いられる帳票です。半製品は仕掛品と似ていますが、厳密には異なります。
仕掛品は製造途中の段階で未完成状態の製品のことで、外部へ販売する価値はまだないものですが、半製品はそのままの状態でも製品としての価値を持っています。製品としての価値をもっているので、外部への販売が可能で、完成品の製品と同様に伝票処理が行われます。
半製品伝票は製造現場だけでなく、在庫管理担当者や出荷業務担当者にも共有され、製造・在庫・出荷の管理に利用されます。このため、正確で速やかな記入と処理が必要なのです。
半製品伝票を電子化するメリットは、速やかな記入が可能となり、チェックも楽にできる点です。電子化していれば複数の半製品について、一気にチェックもできます。さらに、電子化していれば再入力の手間も省ける上、データの一部を納品書などの他の帳票に流用できます。
また、日付や半製品の種類、半製品の用途などで検索もできるようになり、管理も少ない工数で可能です。半製品の種類や販売数・加工数が大幅に増えるなどフォーマットを変更したくなった時も、電子化していれば簡単に変更できます。
半製品伝票は半製品が製造・販売・加工されるごとに発行されるため、製造現場によっては膨大な数を保管することになります。電子化していれば保管スペースも不要です。伝票紛失のリスクも低くなります。
製品入庫伝票を電子化していない場合のデメリットは、記入とチェックに時間がかかることです。電子化した場合のようにデータの一部を他の帳票に再入力なしで流用もできません。
管理の際は必要なデータを探し出すのも手間がかかります。半製品の種類や販売数・加工数が大幅に増えるなどフォーマットを変更したくなった時は一から作成しなおさなくてはなりません。蓄積していく半製品伝票を保管するスペースも必要です。
電子帳票システム導入のメリットは、電子化していれば作成の際に、製品入庫伝票・出来高報告書へデータを流用でき、原材料使用伝票・原材料発生経費伝票からもデータの流用が可能です。他の帳票やデータとの照合チェックも楽にできます。
また、半製品の種類ごとに複数のフォーマットでの運用も可能です。営業部門と製造部門など部署をまたいで帳票を共有したい場合などもスムーズに運用できます。新しい半製品の追加や少量多品種の半製品にも即時対応できます。
半製品伝票は製品入庫伝票、原材料使用伝票、原材料発生経費伝票、出来高報告書などの帳票と一緒に電子化することで、管理を一元化・簡略化できます。製造管理や在庫管理、出荷管理も少ない人員と工数で対応可能です。半製品伝票の電子化や電子帳票システム導入を検討する場合には、製品入庫伝票、原材料使用伝票、原材料発生経費伝票、出来高報告書など電子化も同時に検討してみるのがおすすめです。
※2023年8月をもって販売終了